FC町田ゼルビア:サイバーエージェントによる買収を町田市民はどう見るか?

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J1クラブライセンスを待たないチームがJ2の首位に立った頃から、公私ともに縁のあるゼルビアがニュース、SNSを賑わせている。ついにはサイバーエージェントによる経営権の取得により、大きな変化を遂げようとしているゼルビア。「優勝による特例でJ1ライセンスが与えられるのでは?」といった希望的憶測も飛び交ったが、9月27日に発表された結果はJ2ライセンス。気になる今後について市民目線で考察してみた。まず、クラブライセンスで問題となったのは大きく2点。
  • ホームスタジアムの座席数
  • 設備基準を満たしたクラブハウスと専用練習場

スタジアム問題

まず1点目のスタジアム問題。ホームスタジアムに行かれたことがある方はご存じだろうが、野津田陸上競技場は市営ということもあり、観客席が少ない、昨年大型スクリーンが設置されたとはいえ設備がしょぼい(2014年に改修されたばかりでキレイなのだが)、交通の便が悪い...ただし、スタジアムの問題に関しては、再選を果たした石阪市長は観客席の増設などJ1ライセンス取得に向けて前向きだ。ちなみに前回の改修はJ2定着、J2ライセンスの確保に向けた改修だ。余談だが、こちらではラグビーシーズンにはトップリーグのキャノンイーグルスの試合も開催されている。

クラブハウス問題

次にクラブハウス。こちらに関しては専用のクラブハウスを持っていない。ご近所のフロンターレも最近まではプレハブだったので設備基準は問題なくクリアできるとして、問題は設置場所だろう。専用練習場に併設されるのが通常なので、まずは専用練習場の用地確保が先決だ。幸い、野津田周辺は東京都とは思えないほどの豊かな自然が残っている。資金面さえクリアできれば用地の確保は可能だろう。

専用練習場問題

こちらは上記の通り、資金面が大きな問題だろう。ゼルビアの経営規模はJリーグ参加チームの中でも稀にみる小ささ。町田市もスタジアム改修その他協力しているが、決して力を入れているとは感じない。

買収により資金面はクリアできる

サイバーエージェントが11.5億円という額で経営権を取得したことにより、練習場、クラブハウス、スタジアム問題はクリアできるだろう。しかし、「フランチャイズを移転するのでは?」といった噂も流れている。そうなってしまうと町田市には何のメリットもない。今まで大きなスポンサーがつかなかった理由と繋がるが、42万人もの人口を抱えているが、意外にも町田市には大きな企業がない。(語弊があるかもしれないが)だからこその地域クラブだったのだが、フランチャイズ移転となると波及効果を含め経済的に大きな損失だ。

ホームタウン町田の反応は?

現実問題として、ゼルビアが町田市民にどう思われているのか?個人的な意見だが、残念ながらまだまだ町田市民全体を巻き込めていない、言い換えれば伸びしろはまだまだあるというのが正直なところだ。

隣町川崎市にはフロンターレ、相模原市にはSC相模原、その先の湘南エリアには湘南ベルマーレ、稲城市には東京ヴェルディ、その他多摩地域はFC東京、横浜市にはFマリノス、横浜FCと四方八方をJリーグチームに囲まれており、周辺地域にファンを増やすことは相当難しいだろう。そう考えると町田市民全体をファン化、熱狂させることが最優先だろう。

クラブもこのことは重々承知で、昨年までクラブのホームタウン活動を支えてきた地元出身の元Jリーガー、星だいすけ氏(現町田市議会議員)を中心に市民のファン化を進めてきた。地道な努力の賜物で、町田で働いている人たち、サッカーに興味のある層にゼルビアファンは多い。

しかし、町田市在住でも都心に通勤している人々は正直興味がないだろう。というより、ホームゲーム開催日などは渋滞などで迷惑だと感じている。私の周りでも昨年行われた競技場へのスクリーン設置を疑問視する声が聞こえた。(実際はふるさと納税制度を利用し、納税者が税の使い道を指定したのだが)

しかし、そのような人々をスタジアムに連れていき、試合を観戦させると一気に好意的に変わる。恐らくだが、J1昇格という目標を果たすと、もともとサッカー熱の高い地域だけにガラッとに風向きは変わるだろう。

今後の展開は?

今回のサイバーエージェントの経営権取得に伴い、財政面ではかなり強力になり、2020年シーズンのJ1昇格も現実味が出てきた。いままでは堅実だった戦力補強もガラッと変わるかもしれない。もしかするとフェルナンド・トーレスが移籍してくるかも?という期待もある。

解決すべき問題

J1に昇格できた際に(気が早いが)、現実問題としてネックになるものがある。アクセスだ。特に、人気チームと対戦する際。

私が観戦した試合で1番入場者数が多かったのは、2015年シーズンのJ2・J3入れ替え戦の大分戦。満員とまではいかないものの8000人以上の動員だった。当時相模原に所属していた元日本代表の高原選手の前、翌年カターレ富山の監督に就任した三浦泰年氏(キングカズこと三浦知良選手のお兄さん)の後ろで観戦した思い出深い試合だ。まだ電光掲示板しかなかった。
FC町田ゼルビア,サイバーエージェント
試合後、関係者に挨拶を済ませ、最寄りの鶴川駅へのシャトルバス乗り場に向かうと、長蛇の列。タクシー会社も抱えているほとんどのドライバーをスタンバイさせたようだが全然足りない。結局待つこと1時間強、やっとバスに乗れたが、通常であれば15分ほどの鶴川駅までの道のりに1時間弱...現在は改善されていることを願いたいが、鶴川駅のバス乗り場、道路事情が改善されていないので、大差はないだろう。

J1に昇格すると入場者数は低く見積もっても平均1万人。クラブがどう頑張ろうと物理的に混乱が生じることは目に見えている。町田市、小田急、神奈中バスなど関係各社の協力が不可欠だろう。

まとめ

サイバーエージェントが経営権を持ち、財政力は大きく底上げされた。しかしながらハード面の課題が大きいFC町田ゼルビア、今後も町田市と官民一体となり強化運営していく必要がありそうだ。町田市としては、駅周辺を除くと大きな集客力を持つ観光資源が乏しい現状を考慮し、そろそろ本腰を入れゼルビアを支援し、魅力あるまちづくりに活かしてほしい。

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